① 定まらぬ心、前田気質たる所以

木場潟の戦いにて、辛くも勝利を拾った前田軍。

大聖寺城も落とし、越前へ侵攻する。

利長は迷っていた。

「どうする!丹羽が金沢で暴れているそうではないか?」

利政が答える。

「ここまで来たからには、進撃を続けるべきでは」

2人の意図は明らかに違いを見せる。

「金沢はどうするのじゃ」

「一部のみを戻すのでは如何でござろう」

「なんなら、この利政が引き返そうか」

利政は、木場潟での苦戦が脳裏に離れていない。

当然、決着をつけたいのが武闘派の血であった。

利長はさらに考え込む。

<家康のために、なんでわしがこんな無駄なことを・・・>

考える込む事数時、利長は決断する。

「引き返す!!!!」

このまま敦賀、近江を抜け中央へ進出すると思われていたが、突如小

松方面へ兵を引き始める。

[御幸塚城跡(小松市今江町)]

前田軍再来襲前線基地。
丹羽軍が前田軍を偵察するには、絶好の場所であった。
又の名を今江城とも呼ぶ。

②お家大事、「前田利長
」 当主の宿命。

闘う事で価値観を得る猛将利政、お家一番が宿命の当主利長。
利長は何も愚将ではない。
偉大な父を持ち、百万石を守らなければならぬ焦り、利家の遺言、母の人質。
様々な出来事に整理がつかないのが現実のところであった。
そして、この気持ちは利長の心に押し込められた。
その結果、前田軍のこの行動は謎に包まれることになる。
一方、その報を須天で受けた長重が御幸塚城へ指令を出す。
長重にしても、木場潟の戦い時の早とちりを悔いており、汚名返上を狙う。
その1つが、前田軍が留守の金沢を焼き討ちにした行為である。
そして、今もう一泡をふかせようと虎視眈々と期を伺った。

第5章・丹羽家の意地!百万石との死闘


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