1.仏御前の里

平氏が栄えた平安時代。
この一帯、加賀の軽海郷(現在の小松市原町)に一人の美女がいた。
五重塔の塔守りの家に育ち、仏道に精進したことから異名を持った。
平家物語に登場する、後の白拍子『仏御前』である。

       仏御前の屋敷跡と墓

2.絶世の美女「仏御前 」 京へ

雪が解け、春となった。
仏は、京に上ることを決意する。
旅の安全を祈り、京へ向かった。
仏、この時十四歳。
美貌、まさに、真っ盛りであった。

3.白拍子「仏御前」の願い

京へ入り、神仏の由来などを歌いながら舞う「白拍子」となった仏。
仏は、ある夢を抱いた。
時の権力者、平清盛に舞を披露する事である。
仏は、筆を執り願いを込めた。

4.幸せなる日々

突然、清盛邸に押し掛けた仏。
清盛は、この非礼な行為に当然要求を拒否する。
しかし、清盛の寵愛を受けていた白拍子「祇王」の慈悲にて、舞うことを許された。
そこで、問題が起きた。
清盛の寵愛が祇王から仏に移ってしまったのである。
その後、祇王に代わり仏が清盛の寵愛を受け、束の間の幸せな日々を送る。

     原町の説明板「小松市教育委員会 」

5.仏御前の憂鬱と祇王への想い

清盛の寵愛を受け、何不自由なく暮らしをしていたが、浮かぬ顔を見せる仏。
<私が現れたことにより・・>
祇王の事が、頭から離れない。
そして、自分もいずれは、同じ運命に。
その後、仏は、清盛の元を去り祇王を訪ね出家する。

6.懐かしき恋の里

京へ向かって数年。
やはり、故郷が懐かしかった。
みずからの姿象を堀り京を去る仏。
ここ軽海郷に帰った仏は、何を後世に残し何を残したかったのか。

7.原町に伝わる仏御前と姿像

短い人生であった仏御前。
栄華よりも慈悲を重んじ悟りを得たのであろう。
形見の像は、小松市の原町に送られ今でもこの町に語り継がれている。

今でも知る人ぞ知る人気の観光スポット「仏御前の里」

2005年に石川県/鹿児島県地域文化交流会イベント「小松戦国物語~史跡一興」にて、仏御前の里を訪れました。
一般宅に安置してある仏御前の尊像を拝見させていただき、林さんの興味ある説明を楽しませていただきました。
現在でも、原町の仏御前の里の人気はマニアに強く、知る人ぞ知る観光スポットとなっております。


2件のコメント

NHK大河ドラマなどでも度々登場する『平清盛』の戦い · 2023年1月5日 10:49 PM

[…] 保元の乱、平治の乱に勝利した平清盛は、後白河上皇・二条上皇の二人に仕え、さらに出家した後白河法皇の猶子として入内することで盤石な体制を築く。摂関家とも良好な関係を築いた敵なしの清盛に、後白河法皇も焦りを感じ始める。1179年(治承3)法王は、遂に清盛封じに出るも返り討ちにされてしまう。これが治承三年の政変であるが、その法皇を幽閉するに至る。また、北陸加賀の小松市原町には、平清盛の寵愛を受けた白拍子『仏御前』と仏御前の里が有名である。 […]

石川県小松市にて「史跡」を巡る歴史イベント「小松戦国物語~史跡一興」 · 2023年1月5日 11:04 PM

[…] バスツアーの第1スポットとして小松市原町の『仏御前の里』を訪れました。一般宅に安置してある仏御前の尊像を拝見させていただき、林さんの興味ある説明を楽しませていただきました。 […]

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