1.観光スポットとしての倶利伽羅公園

倶利伽羅公園(くりからこうえん)は、旧北陸道上の「倶利伽羅峠」にある石川県河北郡津幡町の公園である。
石川県の津幡町(つばたまち)と富山県の小矢部市(つばたまち)の県境ということで小矢部「倶利伽羅県定公園」と混同されやすいが、石川県の津幡町に属する公園である。
気になる両県の仲であるが、現在は、倶梨伽羅峠の戦いに因んで開催される小矢部市と津幡町の交流「源平大綱引き合戦」にて両県の親睦が行われている。
大綱引きは、源平合戦「倶利伽羅峠の戦い」をモチーフとして行われ、 小矢部市側は木曽義仲が率いる「源氏軍」で白 。
津幡町側が、平維盛率いる「平家軍 」で赤。
勝敗は、3本勝負で2勝先取で決するが、これまでの成績は、ほぼ互角となっている。
喧嘩祭りではないので、それが一番よい。
お隣の小矢部市の「倶利伽羅県定公園」と歩調を合わせた倶利伽羅の発展に、ますます期待したい。
そんな倶利伽羅公園であるが、沢山の八重桜が咲き誇り、津幡における「桜の名所」としても有名である。
津幡側には、手向神社倶利迦羅不動寺、倶利伽羅村の復活に貢献した秀雅上人像があり、津幡の代表的な観光スポットとなっている。
また、小矢部の方に行くと倶利伽羅峠古戦場など数々の史跡も存在する、埴生護国八幡宮へと続く。

花見スポット「倶利伽羅公園」

2.北崎佐太郎の想いが守った倶利伽羅公園

明治に入ると明治政府の神仏判然令(廃仏毀釈)による倶利伽羅長楽寺が廃絶し手向神社となる。
それと同時に、現在の倶利伽羅公園のある墓地も上げ地となり民間人の所有となったが、倶利伽羅の「北崎佐太郎」(きたざきさたろう)が自田と交換し所有者となる。
北崎は、倶利伽羅の強い想いから自費で整備を行うが、晩年、想いを西砺波郡埴生村(現小矢部市)そして、現在は、津幡町が管理するに至る。
佐太郎がいなければ、現在の倶利伽羅は無いとさえ語り継がれる。
当園には、大友池主(おおとものいけぬし)が大伴家持(おおとものやかもち)に送った歌(万葉集巻17)の碑、今石動城代「篠島織部清了(ささじまおりべきよのり)」顕彰碑が存在する。
特に、倶利伽羅公園「駐車場」の前にある、国見山の五社権現には大変であるが登る価値あり。
また、国見山から倶利伽羅公園にかけて戦国期には、倶利伽羅城が存在したと伝わる。

3.倶利伽羅公園は、八重桜が咲き誇る津幡の花見スポットでもある

津幡の代表的な花見スポットである「倶利伽羅公園」に訪れる人には、もう一つの目的がある。
春のお花見である。
八重桜の名勝として知られる倶利伽羅公園の一帯は、約6千本の八重桜が咲き誇り、夜桜も楽しめる。
これらの桜は、「昭和の花咲かじいさん」と呼ばれた高岡市の高木勝己氏が、「今の倶利伽羅が寂しい」との不動明王のお告げにより1959年(昭和34)私費で植栽したのが始まり。
現在も、富山県小矢部市と共に美しい桜並木を維持しながら現在に至る。
桜並木周辺の桜の花見と同時に、開催されるのが「倶利迦羅さん八重桜まつり」である。
倶利迦羅さん八重桜まつりでは、古来より疫病の難から逃れられると言い伝えのあるつきたての念仏赤餅が参拝者に配られ、たくさんの花見客が同時に訪れる。
倶利迦羅不動寺境内で厄除けの念仏赤餅つきが行われるこの祭りは、ゴールデンウィーク前半に開催されるので注意が必要だ。
ソメイヨシノなど通常の桜と違い、八重桜の開花は遅い。
さらに近年、倶利伽羅の八重桜の開花も早い。
ゴールデンウィーク後半に来たお客さんに、「何処にやってるんですか?」とよく質問されることが多い。
津幡町の今後の対応に期待したい。

倶利伽羅公園の八重桜


5件のコメント

八重桜が咲き誇る花見の名所、小矢部「倶利伽羅県定公園」 · 2022年3月13日 9:49 PM

[…] 6千本の八重桜が咲き誇ることで有名な小矢部の「倶利伽羅県定公園」。倶利伽羅県定公園は、旧北陸道における富山県小矢部市と石川県津幡町の県境「倶利伽羅峠」にあり、小矢部市側にある公園である。倶梨伽羅峠の丁度、猿ケ馬場、日牛の像がある辺りが桜の名所となる。津幡町の「倶利伽羅公園」と隣接しているが、どちらも花見スポットとしては、人気が高い。倶梨伽羅峠の合戦地であったこの辺りは、小矢部市と津幡町の境界であることから混同しやすいが、毎年、「源平大綱引き合戦」が開催され交流が続いている。源平大綱引き合戦は、桜の花見時期に開催され、倶利伽羅県定公園には、沢山の花見客で賑わいを見せる。 […]

国見山に鎮座する倶利伽羅「五社権現」と 108段の石段「百八坂」 · 2022年4月19日 9:59 PM

[…] 倶利伽羅峠の頂上付近にある「倶利伽羅公園」の駐車場から北方面を眺めると傾斜上に石段が見える。国見山と呼ばれる山の急斜面にある石段を登りきると倶利伽羅「五社権現」に辿り着く。権現(ごんげん)とは、仏や菩薩が神など仮の姿で現れた神号であるが、倶利伽羅五社権現は、もともと「四社権現」であった。四社とは、資料あまりなく唯一の手掛かりとなる「津幡町の神社と祭神の分析―倶利伽羅谷編(河北潟湖沼研究所河北潟歴史委員会)」PDFを参考にすると以下記載がある。・峰御前八幡社 応仁天皇(おうじんてんのう)・愛宕社(あぬごしゃ) 軻遇突智命(かぐつちのみこと)・白山社 菊理媛命(くくりひめのみこと)・大峰座主社 国常立尊(くにのとこたちのみこと)この四社に長楽寺の現在の手向神社の石堂神殿を加えて五社権現となる。五社権現は、加賀藩四代藩主「前田綱紀 」(まえだつなのり)が寄進した。 […]

4月18日の直売にお越し頂きありがとうございました。 · 2022年4月23日 11:34 PM

[…] 4月18日(月)、倶利伽羅直売所にて白ネギの直売をしました。今回も、残念ながら白ネギのみの販売となりました。いつもと違う商品としては、今回初めてネギ坊主を並べてみました。「ネギ坊主が置いてある・・」という声が聞こえてまいりましたが、残念ながらネギ坊主の販売ゼロという結果でした。来年も、一工夫したうえで陳列します。そして、倶利伽羅公園の八重桜が咲き始めましたが、次回28日は、残念ながら商品がなさそうです。直前の直売所ページをご確認願います。5月からは、その他野菜も少しづつ登場しますのでご期待ください。 […]

2022年4月の作業報告 · 2022年5月2日 9:01 PM

[…] 今年も、津幡町「倶利伽羅公園」に八重桜祭りが開催されました。餅つきイベントは中止となりましたが、八重桜は、見事なものでした。開催日は、4月23日(土)~5月5日となっておりますが、八重桜自体は、4月24日には、ほぼ散ってしまいました。来年「倶利伽羅さん八重桜祭り」に行こうと思った方は、気を付けてください。もし、花が散った後に出かけた方に一つ見どころ紹介。倶利迦羅不動寺に向かう途中の坂の両脇には、ピンクの散った花びらがカーテン状に続く。これも一興。 […]

倶利伽羅城と倶利伽羅堡の謎を解く · 2022年10月15日 9:15 PM

[…] 倶利伽羅堡があったとされる倶利伽羅公園 […]

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