浅井畷での戦いで、辛くも勝利した前田軍。
その後、前田利政隊、太田隊が小松城に詰め掛けたが、ここでも小松城を落とすことが出来なかった。
利長も本隊を引き連れて、佐々木付近まで駆けつける。
利長が歯ぎしりが響き渡る。
「長重め・・・二度までも」
結局、前田家と丹羽家の決着はつかない結果となってしまった。
この時既に、東西決戦東軍の大将、家康が中央へ近づいている情報が入っていた。
八月十日、利長は小松城攻撃中止命令を出し、金沢へ兵を引き始める。
「口惜しいが金沢へ帰る」
「が、一つ二つやらねば気が済まぬ」
気が治まらない利長は、その後、村を焼き払い金沢へ帰城する。

佐々木の渡し[小松市佐々木町]
梯川沿いで、最後の小松城攻めの時、 ここに利長が陣を構えたと想定される。
悔しがる利長が想像出来る。
明暗を分けた前田家と丹羽家・その後②